詳細
|
|
カスタマーレビュー
おすすめ度:
人間らしく生きるとは・・・
(2007-07-20)
私がこの本を手に取った理由は、著者の取材現場に居合わせたことがあったから。
患者さんや家族に真摯に接する取材姿を見て、どんな本になったか興味を持ったのだ。
思ったとおり、この本は、『患者とその家族の生きた肉声』が読み取れる本であった。
脳障害の実態や問題を、患者・家族・社会・病院など多方面から知ることができた。
この本のキーワードは、リハビリ!
リハビリとは、“人間らしく生きる権利の回復”だという。
“人間らしく生きる”とは患者・家族・それを支える医療従事者・すべてに共通するものだった。
特に心に残った箇所は、第7章・8章の患者を支える医療従事者の記載。
彼らもまた、自分自身が“人間らしく生きる”ために、患者を支えていた。
二人三脚で患者と接する彼らの中に、人間らしく生きる姿を見て、胸を打たれた。
生きるとは、支えあいなのだろうとこの本から伝わった。
脳―見えない障害の恐怖
(2007-01-07)
もう10年以上前になろうか。立花隆氏の「脳死」を読んで衝撃を受け、氏の「脳死3部作」を初め、折に触れて脳に関するノンフィクションを手にとってきた。
「脳死」でも死ぬ間際まで聴力は残っており、脳死判定には聴性脳幹反応を含めるべきだという指摘がなされていたが、本書でもまた、脳死ではないが、いわゆる植物状態となった「遷延性意識障害」の患者が周囲の言葉を理解していた事例が報告されている。
また、救急救命医療の発達がもたらした`負の側面'として、一命をとりとめたあと家族を襲う悲劇の幕開けとなる、遷延性意識障害や高次脳機能障害の患者の増加についても詳細にレポートしている。
医療機関が進める脳ドックについては、CT,MRIを稼動させざるを得ない医療側の事情や、見つかった異変を取り除く予防手術がもたらす危険など、患者側の視点で安易な脳ドック受診に警鐘を鳴らしている。
インフォームドコンセントが定着しつつあるとはいえ、患者側が弱い立場にあることには変わりはない。まだまだ未知の領域が多い脳だからこそ生じる問題について、考える機会を提供してくれる一冊である。
脳治療の光と影
(2006-12-14)
脳疾患に対する診断技術の進歩により,これまで専門家でさえ認識の乏しかった高次脳機能障害や遷延性意識障害,予防医学及び奇跡を呼ぶ治療について述べられている。
障害を負った本人や,治療場面等に携わった専門家のインタビューを駆使し,現在の脳傷害に対する治療がリアルに伝わってくる。
人ひとり障害を負うと,本人だけではなくその周囲の人々(家族など)にも多大な影響が生じる。現在の診療報酬制度の矛盾や,そこから生じる患者を中心とした人々の苦心がひしひしと伝わってくる。
なかでも,脳ドッグについて述べた章の中で「予防医学とは,医師の裁量で患者を作り出すシステム」という必ずしも最新の診断・治療が人々を幸せに導けていない現状は深く印象づけられるものであった。
また,脳腫瘍のハンディキャップを乗り越え,再びマウンドに立ったプロ野球盛田投手のエピソードは,それに携わった理学療法士が当時を回顧し,改めて「リハビリテーション」の意義深さを考えさせられる。
いつ我が身や身近な人におとずれるか分からぬ脳の病気や疾患について,また障害のある人々について再考するにはいい機会になると思います。
おすすめ度:
人間らしく生きるとは・・・
私がこの本を手に取った理由は、著者の取材現場に居合わせたことがあったから。
患者さんや家族に真摯に接する取材姿を見て、どんな本になったか興味を持ったのだ。
思ったとおり、この本は、『患者とその家族の生きた肉声』が読み取れる本であった。
脳障害の実態や問題を、患者・家族・社会・病院など多方面から知ることができた。
この本のキーワードは、リハビリ!
リハビリとは、“人間らしく生きる権利の回復”だという。
“人間らしく生きる”とは患者・家族・それを支える医療従事者・すべてに共通するものだった。
特に心に残った箇所は、第7章・8章の患者を支える医療従事者の記載。
彼らもまた、自分自身が“人間らしく生きる”ために、患者を支えていた。
二人三脚で患者と接する彼らの中に、人間らしく生きる姿を見て、胸を打たれた。
生きるとは、支えあいなのだろうとこの本から伝わった。
脳―見えない障害の恐怖
もう10年以上前になろうか。立花隆氏の「脳死」を読んで衝撃を受け、氏の「脳死3部作」を初め、折に触れて脳に関するノンフィクションを手にとってきた。
「脳死」でも死ぬ間際まで聴力は残っており、脳死判定には聴性脳幹反応を含めるべきだという指摘がなされていたが、本書でもまた、脳死ではないが、いわゆる植物状態となった「遷延性意識障害」の患者が周囲の言葉を理解していた事例が報告されている。
また、救急救命医療の発達がもたらした`負の側面'として、一命をとりとめたあと家族を襲う悲劇の幕開けとなる、遷延性意識障害や高次脳機能障害の患者の増加についても詳細にレポートしている。
医療機関が進める脳ドックについては、CT,MRIを稼動させざるを得ない医療側の事情や、見つかった異変を取り除く予防手術がもたらす危険など、患者側の視点で安易な脳ドック受診に警鐘を鳴らしている。
インフォームドコンセントが定着しつつあるとはいえ、患者側が弱い立場にあることには変わりはない。まだまだ未知の領域が多い脳だからこそ生じる問題について、考える機会を提供してくれる一冊である。
脳治療の光と影
脳疾患に対する診断技術の進歩により,これまで専門家でさえ認識の乏しかった高次脳機能障害や遷延性意識障害,予防医学及び奇跡を呼ぶ治療について述べられている。
障害を負った本人や,治療場面等に携わった専門家のインタビューを駆使し,現在の脳傷害に対する治療がリアルに伝わってくる。
人ひとり障害を負うと,本人だけではなくその周囲の人々(家族など)にも多大な影響が生じる。現在の診療報酬制度の矛盾や,そこから生じる患者を中心とした人々の苦心がひしひしと伝わってくる。
なかでも,脳ドッグについて述べた章の中で「予防医学とは,医師の裁量で患者を作り出すシステム」という必ずしも最新の診断・治療が人々を幸せに導けていない現状は深く印象づけられるものであった。
また,脳腫瘍のハンディキャップを乗り越え,再びマウンドに立ったプロ野球盛田投手のエピソードは,それに携わった理学療法士が当時を回顧し,改めて「リハビリテーション」の意義深さを考えさせられる。
いつ我が身や身近な人におとずれるか分からぬ脳の病気や疾患について,また障害のある人々について再考するにはいい機会になると思います。

