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カスタマーレビュー
おすすめ度:
この問題の根源は「私たち消費者の無関心」である
(2008-06-18)
タイトルからして衝撃的である。
日本ではなぜかメディアで報道されない 神経伝達物質を阻害する農薬についてのレポート。
神経伝達物質を阻害することによって虫を殺すネオ・ニコチロイド系の農薬問題について触れた書籍。
国内で使用されているこの農薬は、水溶性であり、かつ無臭。
半径4キロにわたって飛散するため、ミツバチなどの農業政策上必要な昆虫まで死滅させてしまう農薬として問題となっている。
その使用量は、餃子事件で問題になった中国のなんと100倍以上。
この使用量も驚きだが、何より心配なのは、昆虫だけでなく、人間に被害をもたらすのではないかということだ。神経伝達物質を阻害するということは、人間をはじめとした他の動物にも影響を与える可能性が容易に推測できる。この農薬は水溶性のため、農作物を通じて、人体内に吸収される可能性が十分に考えられる。
専門家は、本薬剤が作用する神経伝達物質のレセプター(受容器)に薬剤が作用しないので、人間をはじめとした脊椎動物には害がないと反論している。
だが、フランスでは、裁判の結果、全面使用禁止となった。ヨーロッパ各国でも次々と使用が禁止されている。この事実をどう受け止めるべきだろうか。
科学的な問題に言及する書籍の内容を吟味する場合は、一旦書籍の中で触れられている主張から離れてフラットな目線で向かいあうべきである。
だが、そのような公平な視点から見ても、本書で引用されているフランス政府の方針を見る限りでは、科学的かつ合理的のように思える。
この問題を追っていくと、私たちの主食である米を栽培する過程において、この農薬をはじめとした様々な農薬が、必ずしも必要と思えない使用のされ方をしているのに気付く。
たとえば、カメムシなどの被害を防ぐために、この農薬を使用するというものだ。
カメムシは、未成熟の稲の汁を吸うが、カメムシに汁を吸われた米は、黒い斑点が残る。
そういった米が混ざると米価が下がるため、農家の方はやむを得ずに使用しているという現実がある。
だが実際は、精米時に光センサーでそのような米を取り除いてしまうので、何ら問題はない。
少なくともカメムシによる被害を防ぐという意味でこの農薬を使うという意味は全くないことになる。
つまり、無駄な農薬を使わせ、米価を下げて農家から米を買い取り、消費者には危険性の残った米を高く販売するシステムが存在しているというわけだ。
この問題の根源は「私たち消費者の無関心」とも言える。
農作に携わる農家の方と消費者だけが、不利な立場に置かれる知らされていない現実を知ることで、「安全」と「豊かさ」を、全ての人が享受できるシステムを作り出せるのではないだろうか。
食について様々な問題が問われる中で、是非一度目を通しておきたい一冊である。
現代社会の"病理"を理解するきっかけを与える良書
(2008-06-03)
我々が日常安全安心を託して買っているはずの日本産の農産物。しかしその生産に"核兵器級"、"悪魔"と形容できるほどの新型農薬”ネオニコチノイド”が野放図に使われはじめているという。著書によるとその単位面積あたりの使用量はあの”毒入り餃子事件”の中国の約100倍。近年米国はじめ日本も含む世界中で相次いでいるミツバチの大量死=蜂郡崩壊症候群は中枢神経系を犯すこのネオニコチノイドが主原因と考えられ、すでに蜂の死骸を分析しその証拠を掴んだ農業大国フランスでは養蜂家の訴えを認め最高裁判決により全面使用禁止なったという。にもかかわらず、日本の農林省と農薬メーカは知らぬふりをして事態を放置。マスコミもなぜか(実はいつものように)取り上げない。これは幾度となく繰り返してきた薬害の農薬版どころか、環境への影響の甚大さを考えればそれをはるかに超える危険な話。本文で紹介されているある農業専門家の言葉:「すでに土壌は高濃度汚染されています。それは水溶性なので水や野菜、果物などを通して体内に侵入し、脳に蓄積していきます」。ということは現代人を襲う無気力、うつ病の蔓延とも無関係ではないのではないかと著者は疑う。この本を読むと今世の中で起こっていることに対し、自分の無知の恐ろしさ、無関心という名の無責任さを感じて、茫然自失とするとともに何か行動を起こさなければならないという気持ちを奮い起こさせる。それとともにこの本には暗い話ばかりではない、将来に希望が持てる「銀座ミツバチ・プロジェクト」をはじめ素晴らしい話がいくつか紹介されており正直ホッとする。著者の使命感や環境問題の解決にかける情熱がそのような素晴らしい活動をする”本物”の人たちと自然と縁ができるに違いない。この本は日本の農業のありかたと政治(官僚の天下りの弊害)を同時に考えるための最良の本のひとつとしてすべての日本人に推薦します!
おすすめ度:
この問題の根源は「私たち消費者の無関心」である
タイトルからして衝撃的である。
日本ではなぜかメディアで報道されない 神経伝達物質を阻害する農薬についてのレポート。
神経伝達物質を阻害することによって虫を殺すネオ・ニコチロイド系の農薬問題について触れた書籍。
国内で使用されているこの農薬は、水溶性であり、かつ無臭。
半径4キロにわたって飛散するため、ミツバチなどの農業政策上必要な昆虫まで死滅させてしまう農薬として問題となっている。
その使用量は、餃子事件で問題になった中国のなんと100倍以上。
この使用量も驚きだが、何より心配なのは、昆虫だけでなく、人間に被害をもたらすのではないかということだ。神経伝達物質を阻害するということは、人間をはじめとした他の動物にも影響を与える可能性が容易に推測できる。この農薬は水溶性のため、農作物を通じて、人体内に吸収される可能性が十分に考えられる。
専門家は、本薬剤が作用する神経伝達物質のレセプター(受容器)に薬剤が作用しないので、人間をはじめとした脊椎動物には害がないと反論している。
だが、フランスでは、裁判の結果、全面使用禁止となった。ヨーロッパ各国でも次々と使用が禁止されている。この事実をどう受け止めるべきだろうか。
科学的な問題に言及する書籍の内容を吟味する場合は、一旦書籍の中で触れられている主張から離れてフラットな目線で向かいあうべきである。
だが、そのような公平な視点から見ても、本書で引用されているフランス政府の方針を見る限りでは、科学的かつ合理的のように思える。
この問題を追っていくと、私たちの主食である米を栽培する過程において、この農薬をはじめとした様々な農薬が、必ずしも必要と思えない使用のされ方をしているのに気付く。
たとえば、カメムシなどの被害を防ぐために、この農薬を使用するというものだ。
カメムシは、未成熟の稲の汁を吸うが、カメムシに汁を吸われた米は、黒い斑点が残る。
そういった米が混ざると米価が下がるため、農家の方はやむを得ずに使用しているという現実がある。
だが実際は、精米時に光センサーでそのような米を取り除いてしまうので、何ら問題はない。
少なくともカメムシによる被害を防ぐという意味でこの農薬を使うという意味は全くないことになる。
つまり、無駄な農薬を使わせ、米価を下げて農家から米を買い取り、消費者には危険性の残った米を高く販売するシステムが存在しているというわけだ。
この問題の根源は「私たち消費者の無関心」とも言える。
農作に携わる農家の方と消費者だけが、不利な立場に置かれる知らされていない現実を知ることで、「安全」と「豊かさ」を、全ての人が享受できるシステムを作り出せるのではないだろうか。
食について様々な問題が問われる中で、是非一度目を通しておきたい一冊である。
現代社会の"病理"を理解するきっかけを与える良書
我々が日常安全安心を託して買っているはずの日本産の農産物。しかしその生産に"核兵器級"、"悪魔"と形容できるほどの新型農薬”ネオニコチノイド”が野放図に使われはじめているという。著書によるとその単位面積あたりの使用量はあの”毒入り餃子事件”の中国の約100倍。近年米国はじめ日本も含む世界中で相次いでいるミツバチの大量死=蜂郡崩壊症候群は中枢神経系を犯すこのネオニコチノイドが主原因と考えられ、すでに蜂の死骸を分析しその証拠を掴んだ農業大国フランスでは養蜂家の訴えを認め最高裁判決により全面使用禁止なったという。にもかかわらず、日本の農林省と農薬メーカは知らぬふりをして事態を放置。マスコミもなぜか(実はいつものように)取り上げない。これは幾度となく繰り返してきた薬害の農薬版どころか、環境への影響の甚大さを考えればそれをはるかに超える危険な話。本文で紹介されているある農業専門家の言葉:「すでに土壌は高濃度汚染されています。それは水溶性なので水や野菜、果物などを通して体内に侵入し、脳に蓄積していきます」。ということは現代人を襲う無気力、うつ病の蔓延とも無関係ではないのではないかと著者は疑う。この本を読むと今世の中で起こっていることに対し、自分の無知の恐ろしさ、無関心という名の無責任さを感じて、茫然自失とするとともに何か行動を起こさなければならないという気持ちを奮い起こさせる。それとともにこの本には暗い話ばかりではない、将来に希望が持てる「銀座ミツバチ・プロジェクト」をはじめ素晴らしい話がいくつか紹介されており正直ホッとする。著者の使命感や環境問題の解決にかける情熱がそのような素晴らしい活動をする”本物”の人たちと自然と縁ができるに違いない。この本は日本の農業のありかたと政治(官僚の天下りの弊害)を同時に考えるための最良の本のひとつとしてすべての日本人に推薦します!

