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カスタマーレビュー
おすすめ度:
うらやましいと思うわたしは不幸か?
(2007-03-16)
少し前の出版だが、積極的安楽死について知ろうとしたところ、
なかなか資料を見つけられなかった。
私事だが、まだ高齢者でもない父が重度の身体精神重複障害者になってしまった。
家族としては、少しでも生きる希望を持てるように鼓舞するのが第一だろうが、
わたしが、父の立場だったら?と考えた時に、
果たして生き続けたいと願うだろうかと、疑問に思ってしまった。
そして、手に取ったのが本書である。
父は、高度医療技術によって奇跡的に一命を取り留めた。
だが、それが、本人にとってしあわせだったのか、どうか。
ひょっとして、多くの人が理想とする「ぽっくり死」の機会を失ってしまっただけなのではないか?
父は、年齢的に、もうしばらくは生き続けるだろう。
オランダの家族だったら、選択する苦悩に煩悶するんだろうな。
この国に生きる父には、不自由な状態を忍んで生き続けるしか、選択肢はない。
そして、わたしたち家族は、父が死ぬ時に、
あのとき死ななくて良かったと思えるようなケアをする道徳を背負う。
ちょっと退屈だったかな
(2007-03-04)
筆者は新聞記者であるからなのか、安楽死に対してかなり中立的な立場を取り、その結果本書の大部分は、単なる事実の羅列に終始している感があります。読者に考える材料を与えているといえば聞こえは良いですが、読んでいて「それであなたは何を主張したいの?」というところが見えてこず、若干退屈でした。それでも、「社会の必要悪を認めて、それを制度化することで、禁止する場合よりも上手く統御している」というオランダの国柄から安楽死の法制化を捉えているのはおもしろかったです。
思考の素材として手ごろ
(2006-11-20)
本書は、安楽死問題につき、
世界で最もラディカルな取り組みをしているオランダに着目し、
患者、家族、医者、政治家などへの精力的な取材に基づいてレポートするものです。
まず考えさせられたのは、
安楽死とは、結局個人主義や自己決定権の先鋭な表れなのだということ。
我々は、果たしてオランダ的な徹底した個人主義・自己決定は受け入れられるでしょうか。
また、安楽死のみならず、巨悪を封じるために小さな悪は認め、
その小さな悪を徹底的に管理するという統治システムの是非。
もっとも、オランダでも腐敗がないはずはないとは思いますが。
さらには、生死とは誰のものなのか。
どこまでも「安楽死」概念を拡張しようとするオランダ流に対しては、やはり疑問を感じます。
以上のように本書は小著ながら、安楽死問題を皮切りに、
読者にいろいろな思考を促さずにはいられない優れた書物です。
新聞記者である著者の文章は簡潔で読み易く、
客観的でありながら、時に悩みも吐露する姿勢には好感を持てます。
ただし、ラディカルなオランダ流の背景にある歴史的経緯の分析や、
宗教や信仰の観点からのアプローチに乏しいのは残念です。
また、あとがきなどで無造作に使われる「国の誇り」などの文句にも首をかしげました。
なるほど、私は「安楽死のできる国」を垣間見て「安楽死」について考えたかったのだけれど、
著者は「安楽死のできる国」を通じて「国」について問題提起したかったのかな、と。
最後はごく個人的な、また若干屈折した感想ですが…。
ともあれ、EU・NATO担当でブリュッセルに駐在していながら、
余技でかくも有益な書物を生み出した著者の知的好奇心とバイタリティに敬意を表し、
5点を献上させていただきます。
考えさせられる
(2006-06-11)
安楽死のできる国。
オランダ。
その国の現状、安楽死法のできるまでの過程、
そして、日本を含めたオランダ以外の国における安楽死の状況、
などが書かれている。
売春も大麻も合法な国、オランダは、
必要悪については、違法にして闇にもぐられるようりは、ルールを作って公明正大にやろう、
という国なのだそうで、
大人な国だなと思う。
安楽死の方法にはいろいろなものがある。
治療を中止する、致死薬を投与する、寿命は縮まる可能性はあるが苦痛を取り除けるような薬を投与する、患者自らが致死薬を飲む、など。
そして、安楽死を望む場合にもいろんな状況がある。
治る可能性のない病気になり、死が差し迫っており、耐え難い苦痛にさらされていて、患者本人も安楽死を望んでいるときには、それは確かに安楽死もしょうがないような気もするが、
だけど、オランダでは精神的苦痛で死を望む人にも安楽死を認めよう、というような考えまであるのだそう。
精神的苦痛に安楽死を認めたら、それはただの自殺幇助なんじゃないかと思ったりするのだが?
生死をも個人の選択に任せようというものすごい個人主義は、少し傲慢すぎるのではないだろうかと思えたりする。
自己の命は、自分のものであるとともに、家族など、自分の周りにいる人のものでもあるという面もあるだろうに。
いろんなことを考えさせられる本である。
考えるキッカケになります
(2004-07-24)
現代医療の発達により、かつてなら消えていた命も、
「生かされる」時代になりました。クローンが神への冒涜だとか
問われているけれど、現代医療も既に神の範疇を通り越したもの
ではないでしょうか?それはつまり、
人間は自分で判断を下さねばならないという事です。
意識の無い中、延命が続けられるのがその人にとって幸せであるのか?
おすすめ度:
うらやましいと思うわたしは不幸か?
少し前の出版だが、積極的安楽死について知ろうとしたところ、
なかなか資料を見つけられなかった。
私事だが、まだ高齢者でもない父が重度の身体精神重複障害者になってしまった。
家族としては、少しでも生きる希望を持てるように鼓舞するのが第一だろうが、
わたしが、父の立場だったら?と考えた時に、
果たして生き続けたいと願うだろうかと、疑問に思ってしまった。
そして、手に取ったのが本書である。
父は、高度医療技術によって奇跡的に一命を取り留めた。
だが、それが、本人にとってしあわせだったのか、どうか。
ひょっとして、多くの人が理想とする「ぽっくり死」の機会を失ってしまっただけなのではないか?
父は、年齢的に、もうしばらくは生き続けるだろう。
オランダの家族だったら、選択する苦悩に煩悶するんだろうな。
この国に生きる父には、不自由な状態を忍んで生き続けるしか、選択肢はない。
そして、わたしたち家族は、父が死ぬ時に、
あのとき死ななくて良かったと思えるようなケアをする道徳を背負う。
ちょっと退屈だったかな
筆者は新聞記者であるからなのか、安楽死に対してかなり中立的な立場を取り、その結果本書の大部分は、単なる事実の羅列に終始している感があります。読者に考える材料を与えているといえば聞こえは良いですが、読んでいて「それであなたは何を主張したいの?」というところが見えてこず、若干退屈でした。それでも、「社会の必要悪を認めて、それを制度化することで、禁止する場合よりも上手く統御している」というオランダの国柄から安楽死の法制化を捉えているのはおもしろかったです。
思考の素材として手ごろ
本書は、安楽死問題につき、
世界で最もラディカルな取り組みをしているオランダに着目し、
患者、家族、医者、政治家などへの精力的な取材に基づいてレポートするものです。
まず考えさせられたのは、
安楽死とは、結局個人主義や自己決定権の先鋭な表れなのだということ。
我々は、果たしてオランダ的な徹底した個人主義・自己決定は受け入れられるでしょうか。
また、安楽死のみならず、巨悪を封じるために小さな悪は認め、
その小さな悪を徹底的に管理するという統治システムの是非。
もっとも、オランダでも腐敗がないはずはないとは思いますが。
さらには、生死とは誰のものなのか。
どこまでも「安楽死」概念を拡張しようとするオランダ流に対しては、やはり疑問を感じます。
以上のように本書は小著ながら、安楽死問題を皮切りに、
読者にいろいろな思考を促さずにはいられない優れた書物です。
新聞記者である著者の文章は簡潔で読み易く、
客観的でありながら、時に悩みも吐露する姿勢には好感を持てます。
ただし、ラディカルなオランダ流の背景にある歴史的経緯の分析や、
宗教や信仰の観点からのアプローチに乏しいのは残念です。
また、あとがきなどで無造作に使われる「国の誇り」などの文句にも首をかしげました。
なるほど、私は「安楽死のできる国」を垣間見て「安楽死」について考えたかったのだけれど、
著者は「安楽死のできる国」を通じて「国」について問題提起したかったのかな、と。
最後はごく個人的な、また若干屈折した感想ですが…。
ともあれ、EU・NATO担当でブリュッセルに駐在していながら、
余技でかくも有益な書物を生み出した著者の知的好奇心とバイタリティに敬意を表し、
5点を献上させていただきます。
考えさせられる
安楽死のできる国。
オランダ。
その国の現状、安楽死法のできるまでの過程、
そして、日本を含めたオランダ以外の国における安楽死の状況、
などが書かれている。
売春も大麻も合法な国、オランダは、
必要悪については、違法にして闇にもぐられるようりは、ルールを作って公明正大にやろう、
という国なのだそうで、
大人な国だなと思う。
安楽死の方法にはいろいろなものがある。
治療を中止する、致死薬を投与する、寿命は縮まる可能性はあるが苦痛を取り除けるような薬を投与する、患者自らが致死薬を飲む、など。
そして、安楽死を望む場合にもいろんな状況がある。
治る可能性のない病気になり、死が差し迫っており、耐え難い苦痛にさらされていて、患者本人も安楽死を望んでいるときには、それは確かに安楽死もしょうがないような気もするが、
だけど、オランダでは精神的苦痛で死を望む人にも安楽死を認めよう、というような考えまであるのだそう。
精神的苦痛に安楽死を認めたら、それはただの自殺幇助なんじゃないかと思ったりするのだが?
生死をも個人の選択に任せようというものすごい個人主義は、少し傲慢すぎるのではないだろうかと思えたりする。
自己の命は、自分のものであるとともに、家族など、自分の周りにいる人のものでもあるという面もあるだろうに。
いろんなことを考えさせられる本である。
考えるキッカケになります
現代医療の発達により、かつてなら消えていた命も、
「生かされる」時代になりました。クローンが神への冒涜だとか
問われているけれど、現代医療も既に神の範疇を通り越したもの
ではないでしょうか?それはつまり、
人間は自分で判断を下さねばならないという事です。
意識の無い中、延命が続けられるのがその人にとって幸せであるのか?
それとも、安楽死させるのが幸せであるか?
また、本書の中にこのような問いがありました。
「新生児の中絶の場合、他社とコミュニケーションができず、
考えることも、感情を表すことも出来ず、はかなく消える命は
他人に消されても仕方のない
「意味の無い命」
なのだろうか?」
・・・考えてみてください。
僕にはこんなことを考えさせられるキッカケになりました。
決して難しい本ではないので、子供でも読めると思います。
死という概念は、そう簡単なものではありませんが、
安楽死も死の一つの手段として、考えるべきだと思います。

